図書室のキリギリス 竹内真

竹内真さんの本は初めて読みました。

 

図書室のキリギリス (双葉文庫)

図書室のキリギリス (双葉文庫)

 

 

タイトルは「図書館のキリギリス」。

 

夫と離婚した女性 高良詩織が知り合いの勧めで高校の図書館司書になり、高校生や先生と本を通して交流を深め、主人公の詩織はもちろん周りの高校生も成長していくというお話です。

タイトルのキリギリスというのは主人公詩織のことです。

司書の仕事を勧めてくれた堅実な知り合いと、結婚を機に退職その後離婚して無職の自分自身を比較して、自分なんて童話「アリとキリギリス」のキリギリスみたいなものだと思っているのです。

童話の元ねたではどうやらキリギリスではなくてセミがモデルらしく、そのあたりもお話の中に登場します。

 

お話の流れは少し「ビブリア古書堂の事件手帖」に似ているなと思いました。

ミステリー(といってもこの作品ではほんのちょっと、ですが)に色々な本が絡んでいて、、、という感じです、うまく言えないですが読んでもらえればきっとわかるかと。

 

この本を読んだ一番の感想は「現実的じゃないけど素敵だなと思える」でした。

 

お話全体を通して、悪い人・いやな人というのが出てきません。

職場の同僚(先生たち)からも親切にされ、図書館の利用者である高校生たちとも仲良くできて、更には図書館司書の前任者の人とも交流が持てて、と理想的な人間関係が築けていて、その点で現実を描いた作品、という感じではありません。

ただ、「これ現実的じゃないよね」とがっかりするのではなくてむしろ「せっかく小説ならこういう世界観のほうがいいな」と思いながら読んでいました。

いやな人や面倒くさい人がいっぱいいるなら、その本読まなくていいよね、と思ってしまうので。

それに登場人物それぞれ(特に高校生たち)が成長していく姿は読んでいて、自分もがんばろう、と思わせてくれます。

 

読後感がすごく良いので、いろんな人から好かれる作品なのではないかと思いました。

自分はたまたま見つけたんですが、有名な作品なんですかね。

 

続編の「図書室のピーナッツ」という作品が出ているので、それも読んでみようと思います。

(追記)図書室のピーナッツ、読みました!→ 

図書室のピーナッツ 竹内真 - Chakosuke’s 読書blog

 

 

図書室のキリギリスの読書感想は以上です、読んで頂いてありがとうございました。