先生、大事なものが盗まれました 北山猛邦

今日の読書感想は北山猛邦さんの「先生、大事なものが盗まれました」です。

 

この作品は分類としてはミステリーになるのですが、「誰が犯人か」「どうやって犯行を行ったのか」ではなくて、「何が盗まれたのか」という謎を解いていく、新感覚のミステリー小説です。

 

舞台は小さな島。その島には高校が3つだけあります。

それは灯台守高校・御盾高校(探偵高校)・黒印高校(怪盗高校)。

主人公の雪子は灯台守高校の1年生、幼馴染の男の子2人はそれぞれ探偵高校と怪盗高校に入学しています。

その島には「怪盗フェレス」という伝説の怪盗がいるのですが、ある日そのフェレスが犯行を行ったとするカードを犯行現場に残していきます。

探偵高校に通う幼馴染から相談された雪子は怪盗高校に通うもう一人の幼馴染とともに事件現場に向かいます。

ただ、何かが盗まれたはずの事件現場に行っても、何が盗まれたのかが分からず・・・。

更に、事件現場で何かをしている雪子のクラスの担任の先生は・・・。

 

というのがざっくりあらすじで、短編3つが収録されており、それぞれ普通ならあり得ないものが盗まれています。

個人的には、「何が盗まれたか」を探すミステリーということで想像してた感じと相当違ったので、面白いとかびっくりした、というよりは戸惑いのほうが大きかったです。

まあでもただの物が盗まれました、だけだとそもそもミステリーとして成り立ちにくいんだろうな、とは思いますが、北山猛邦さんの他の作品がとても好きなのもあって、少しう~ん、という感じは残りました。

ただ、小さい島での閉鎖された世界観や、コメディタッチな展開は好きなので、今後に期待ですね。あ、この本はシリーズ物になるようで、この本の最後にいくつかこれからにつながる謎を残しています。

この本が、「何が起きたか」に焦点を当てるというミステリーの新しい分野を切り開けるのか注目です。

 

以上で「先生、大事なものが盗まれました」の読書感想は終わりです、読んで頂いてありがとうございました。